All the little peaces
海外の本が好きな私ですが周りにそういう話を出来る人がいなくて...
というか読書家が一人もいないのだから話になりませんね。
現代人の趣味・娯楽は数限りなくあるのだから読書しなくても人生は楽しめます 。
昔から女流作家の作品は好まない(引き込まれるように読破した作品が極端に少ない)のですが
ジリアン・ホフマンさんの作品は本当にいつも必ず物語に引き込んでくれるのでハズレ無しでいつも期待を込めて購入。
本当にドキドキしながら有意義な読書体験が出来るのです。
「わたしの小さなかけらをすべて」
見るからに恐そうな表紙に
"もしあのとき車のドアを開けていたら・・・・・・。"
帯には海外ミステリー好きならそそられて当然の誘い文句が(笑)
ひっそりと書いているこのブログ内でもネタバレはよくないと思うので感想だけですが。
見て見ぬふりが落とし穴になる恐怖。
なぜ自分に災難がふりかかるのか、都合の悪い事に蓋をしても結局は逃れられないものから逃れようとすれば自分にすべて返ってくるということ...
これら全部が全部恐怖でしかありませんでした。
我々人間の本質、頭と心のバランスだったり損得勘定、面倒には関わりたくないけど自身の罪悪感が引き金になりやがて闇に堕ちる。
生身の人間の身勝手さや傲慢さや弱さが招く恐怖はオバケよりも確実に恐いです。
オバケがいちばん恐いと言っていられる大人なんてそうはいないと思いますが。
そして長年いろんな本を読んできた中で主人公に共感出来ない読書体験はもちろんありました。
が、この「わたしの小さなかけらをすべて」のヒロインには共感出来ないどころかものすごい嫌悪感があり前半から「ハッピーエンドなんてナシだぜ~!?」などと思いながら読んでいました。
これは何事も節度を持ち線引きは必要というポリシーを持っている生意気なクズならではの嫌悪感なのでしょう。
嫌いと思わせてくれるヒロインもまた魅力的でした。
次はいつジリアン・ホフマンさんの作品が日本に届くのかしらと考える事が今の楽しみのひとつでもあります。